ライター登竜門 2026年9月24日

"存在しないゲーム"から学ぶ取扱説明書の楽しみ方、スプーンで脱獄しよう!~月刊デイリーポータルZ新人賞 2026年9月号

こんにちは、編集部 石川です。

スイカに塩をかけて食べる食べ方がありますよね。塩キャラメルとかもあるし、甘いものに塩を足す派閥ってあると思います。
逆にしょっぱいものを甘くするのはどうでしょうね。ポテトチップスにメープルシロップをかけたり、ベーコンにはちみつをかけたり。
……新しい発想の記事ネタ、と思ったのですが、すでにそういう料理けっこうありそうですね。そういう時はすぐに捨てずに、じゃあ既にあるものを集めて分析する、みたいに方向転換するのもいいかも。

さて、月刊新人賞では、みなさまからいただいた投稿原稿のうち、優秀作をご紹介します!

投稿作品の紹介コーナーです。読者の方が執筆した記事をご紹介しています。
*月刊新人賞とは
*原稿の投稿はこちらから!

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:天丼でエビ以外にこれは必須!って天ぷらはありますか?~ライター質問箱 2026.9.22

> 個人サイト デイリーポータルZ

👑今月の掲載作品

まずは超優秀作。記事として掲載した作品をふりかえります。今月は2本!

"存在しないゲーム"から学ぶ取扱説明書の楽しみ方(9/6 百舌野)

編集部より寸評

まさにスーファミの説明書、池袋のビックカメラで買って、帰りの電車の中で呼んでいたあれです。細かいディテールの再現度もパーフェクトどころか、ヒントやシルエットになっているキャラクターとか忘れていたあるあるが蘇りました。魔女はきっと友だちと同一人物か、きょうだいなんでしょうね。
好みのテーマだし、完成度も高いので楽しませてもらいました。(林)

言われてみれば最近のゲーム、説明書ないですね!そもそもDL版だったりしますしね。
こういうネタを扱うときに懐古主義的になっちゃうのが僕はあまり好きじゃないんですよね。昔の説明書を集めてきて眺める、とかだとまさにそんな感じになっちゃうと思うのですが、今作は自分で作ることによって「いま楽しんでいる」感じが出ているのが良かったです。あと普通に説明書が凝ってるのに愛を感じました。厄災の魔女のシルエットが友達と同じなの、すげえ良いです。(石川)

スプーンで脱獄しよう!(9/23 ちゅうわっと)

編集部より寸評

投稿を毎回見ているうちに、ちゅうわっとさんのキャラクターに取り憑かれてきました。
「ぜんっぜん削れねぇ~~~~~」とかハンマーで叩いてい大きな音を出しているところとか、記事にライブ感があるのがいいですね。
石川さんが下で「バカ系企画なのに賢いぞ…」とひどいことを書いてますが、私もちゃんとしたノギスを使っているところで同じ感想を抱きました。
2回目の掲載ですが、プロフィール写真でまた笑ってしまいました。(林)

これまでもデイリーポータルZでは何本かの脱獄記事があったのですが(検索してみてください)、コンクリートを掘ったのは初めてです。明らかに大変そうだから…。まずそこに挑んだ気概を称賛したいです。
掘削が進む→スプーンの摩耗ぶり、自由までもう一息→ヘッドフォン、という感じで前進した快感と大変さを交互に見せているところがテンポの良さにつながっていると思います。
あと最後の計算を面積ではなく体積で計算しているところが、バカ系企画なのに賢いぞ…!?と思いました。(石川)

いったん広告です

🎉佳作

原稿掲載までは至りませんでしたが、面白かった作品を佳作としてご紹介します。

台湾の『双子寺院』に潜入しようとしたら、優秀すぎる番犬にガチで追い回された(asahi)

これは、台湾の田舎道を気持ちよくサイクリングをしていたはずが、いつのまにか珍スポットの魔力に引き寄せられ、番犬に追い立てられていた日の話である。

 

編集部より寸評

番犬、面白かったです。
お寺や仏像が興味深いので、もう少し詳しく見たり聞いたりすると、さらに書けることが現れるかも。珍スポットという言葉で括ってしまうとディテールが見えなくなるので、あまり使わなくてもいいと思います。(林)

最後に結局犬に追いかけられるところ、期待通りのオチという感じで最高でした。笑いました。
話としては面白かったと思うのですが、たぶん林も書いてると思いますが、珍スポットっていう面白がり方がけっこうギリギリな時代になってきたと思うんですよね。そう思ったときに、エピソードだけで十分に面白さがあるので、ことさらそこを強調しなくてもいい記事になったのではないかなと思いました。(石川)

 

【団子は何位?】一番『こしらえられている』ものランキング100位!!(しらべちゃうアニマル)

人は無意識に『こしらえられる』のはお団子的なものであるという、先入観を持っているのかもしれません。
実際、「こしらえる」という言葉は、何に対して使われている?国立国会図書館の本を対象に、調べていきます。

「こしらえる」は何に使われているのか。読みものとしておもしろいです。ただデイリーポータルZが身体と体験をベースにしたサイトなので、当サイトとしては佳作とさせてください。
ただ構成としてのアドバイスとしては、導入部の「無線機をこしらえた」は意外性があっておもしろいので、これを第一に持ってくるのはどうでしょうか。「こんにちわ」とかなしにオチから入る。そして「ダークマターはビッグバンでこしらえる」「隠し子をこしらえる」などオチを重ねていくような展開だとフックになるかも。(林)

結果、おもしろいですね。たしかに「作る」という意味の言葉でしかないのに、団子のイメージあります…。
ノンジャンルはちょっと意外性もあるのですが、食べ物ランキングは100%同意できる内容でちょっと笑ってしまいました。
おもしろくはあるのですが、デイリーは基本身体を動かして何かするサイトなので、ということで今回は佳作にとどめさせていただきました。
あと写真が、ぬいぐるみなのは前提と考えてもアップばかりなので構図にメリハリ付けたい感じがするのと、背景も体色に近いのでぼんやりした印象があるかも。ぬいぐるみである分、見え方を工夫しないといけない気がしました。(石川)

 

あの日々に食べていたカレーにはタケノコと「愛」が入っていたんだ​​​​​​​(三戸 満平​​​​​​​​​​​​​​)

皆さんに「記憶に残ってしまっているご飯」はあるでしょうか?

私にとっては「母校である国際基督教大学の食堂で出ていたタケノコ入りのカレー」であり、今回それについて調べてみたら最終的には母校の組織まで動いてくれる事態になったので、その顛末も含めて書いていきたいと思います。

力作です。力作過ぎて8000文字超あります。5000文字を超えると離脱する人も多いので、2000~3000文字ぐらい削りたいですね。タケノコが入っていたかどうかは大学の回答で明らかになるので、アンケートは結果だけで良いと思います。
それから大学の広報が好意的に協力してくれているので、学位剝奪とか怒られたらと書く必要はないと思います。相手に見せたときに嫌な気分にさせてしまうかもしれないので。
取材記事って相手を立てつつ、笑いどころを入れ​​​​​​​ないといけないのでそこは苦労するところです。(林)

面白かったです。同じ料理記事でも、自分の中で完結せず取材をして他人にアプローチしていくと一気に面白さが出ますね。また経緯を紐解いて時間軸での奥行きが出たのも面白さの一因だと思います。ひとことで言うと、スケールがでかい。
トップ画像にある『「愛」が入っていた』のフレーズは、ちょっとありきたりな感じがするのと抽象化しすぎて中身が伝わらず、惜しいと思います。
あとちょっと長いので細かいところ削りたいですね。前半については林が書くと思いますが、後半もメールの中身はまるっと引用せず編集して載せるとか、最後の「皆様の記憶に残ってしまっている​​​​​​​…」もいい話なのにここで一般化する必要はないかなとか。書き終えたら「いらんとこ削るぞ」という視点で一回読み返すのがおすすめです。(石川)

 

いったん広告です

👏もう一息

長いもきゅうりのきゅうりの代用を試す(つづく)

ある日、実家に帰ったらきゅうりと長いもを細かくしたモノを母が作っていた。美味しかったので一人暮らししてる自分ちでも作りたいと思い、母に聞いたら下記のレシピを参考にして作ったとのことでその時以来、自分も夏はこれを作っている。

 

編集部より寸評

長いもとキュウリをミックスさせたやつ美味しそうですね。夏にいい。
まずこれが珍しいので、それだけで記事になるものだと思います。
そこからずらしていって、あれのアレンジバージョンを探すって言われても元ネタの一般性がないんですよね。
自分にとってはおなじみのものでいきなり横展開しちゃって分かりにくくなった記事は過去のデイリーにもあります。(林)

普通においしそうなレシピがいくつか出てきて、長いもが食べたくなる記事でした。厚揚げのやつ、いいですね!
記事のテーマですが、「代用を探す」だと前提として読者が本物の味を想像できる必要があると思うんです。それを基準にして、よりこうだったとか、足りなかったとかいう話になるので。それには長いもキュウリはニッチすぎる気がするんですよね。だったら「長いもとあえて合う食材を探す」みたいな切り口の方がよかったのかも。(石川)

 

いったん広告です

おわりに

最後に、編集長 林からのメッセージで今月の月刊新人賞はおしまいです。では林さん、どうぞ。

メモを取って、すてる

ちゅうわっとさんのところで、「記事にライブ感がある」と書きました。でも当然ちゅうわっとさんも、試しながら記事を書いてるわけじゃないと思います。全て終わってから、そのときの気持ちを思い出しながら書いてるんですよね。それでのライブ感。
ライブ感を出すために、作業をしながら何を考えていたかのメモを取っておくと便利ですよ。「手が痛い」とかね。そういうのって覚えているようでわりとすぐに忘れてしまうので。

で、原稿を書くときはそのときのメモから使えるトピックを取捨選択して書きます。私個人の感覚だと、メモから原稿に使えるのは1/4です。イラストは大きく描いて縮小するときれいに見えますが、文章も長く書いて削るとうまく見えます。

ウェブの原稿って1000文字以下だと短く感じますが、1000文字を超えていれば1100文字でも4000文字でも満足感は一緒なんじゃないかと思います。もちろん個人の感想です。

>>原稿の投稿はこちらから!<<
 

▽デイリーポータルZトップへ

記事が面白かったら、ぜひライターに感想をお送りください

デイリーポータルZ 感想・応援フォーム

katteyokatta_20250314.jpg

> デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」が届きます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ